月見酒しながら見てた映画がコレ(録画済みのを見てました)。
www.allocine.fr『牝犬』ジャン・ルノワール Jean Renoir
修復版なので日本でもどこかの映画館でやってたのかもしれません。(見たかった!)
名優ミシェル・シモンMichel Simonをふくむ3人の主要登場人物が、淀川長治ぽい言い草でいえば「哀れ」でね。(もちろんヒロインのジャニー・マレーズJanie Marèseがいちばん・・)。なんでそこで嘲笑うしかないの?その美事な往復ビンタはなんなの?なんでそういう心根なの?ホントにもう自然主義フランス文学の救いようのない登場人物らを血肉化して、もうこのほかに生きようがない存在の切実さみたいなものを、ルノワールのむしろ冷徹な視線のもとに映像化しています。部屋の中で人物の表情を捉えるキャメラ、あえて部屋の外に出ていちばん過酷な人物らのかかわり(殺人というかかわりも含め)を舐めるキャメラ、窓の外に座る黒の仔猫から室内へと移るショットは、もう、ルノワールとしか言いようがない凄いショットですね!