稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

SHADOW 影武者

zh.wikipedia.org張藝謀チャン・イーモー 好きな監督でもないし、めちゃ頑張って擁護したい作品でもないけど、やっぱしこれほど美的完成度の高い優れた映画があまりに不当な扱いを受けてると言わざるを得ん。『HERO』ときて『LOVERS』ときてこれが一番完成度高い作品でしょ。
また、クレジット見てて初めて気がついたけどこれって3D版もあったんじゃん。周星馳チャウ・シンチーが撮ってる(&プロデュースしてる)一連の娯楽SFX大作なんかもそうだけど、中華圏の3D作品、まともに3D公開されることってごくわずか。客が入らなくて商売にならないからなんでしょうけど、なんとかならないものか・・。(このあたり商売にならなくても公開されるべきとか考えられる芸術作品とちがって娯楽作品なんだからペイしなければ箸にも棒にもかからないってわけか・・。)中華圏の映画、近年は賈樟柯ジャ・ジャンクーのように芸術性の高い監督(今週どこかで見に行くけど)には注目が集まるけど、かえって娯楽作は冷遇されがちで、なんとかしてほしいものです。香港映画の娯楽作など、かつては大好きだったのに、いまでは映画(製作)界じたいが大陸系に乗っ取られたかたちになっているのか?かつてのような勢いがないこともあってか、まともに劇場公開されない(されてもブルーレイ上映だったりする)のは悲しいことです。
『SHADOW 影武者』悪くなかったですよ。ずーっと雨のなかという状況設定の巧みさ。映像/美術はほぼ黒白。琴瑟(という象徴性も高い)楽器つかったほとんど現代音楽。(あの武器になってしまったあとの「傘」だけはいただけなかったかな?途中日本映画を彷彿とさせるカットがいくつかあって「おっ!」とか思ったのだけど・・)タイトルロールとその表人格?を演じた邓超(鄧超)ダン・チャオも怪演だったし、孙俪(孫儷)スン・リー、关晓彤(關曉彤)クアン・シャオトン(後者は明らかに張藝謀のタイプじゃん)、二人の女優も良かったし・・。ラストシーン、扉に駆け寄るスン・リーの必死の動作とその横顔の美しかったこと!