稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

Like a carousel that's turning running rings around the moon

『スペインは呼んでいる』The Trip to Spain Dir: Michael Winterbottom

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映画「スペインは呼んでいる」オフィシャルサイト

同じ監督、同じ二人で最初はイギリス国内を回り(『スティーブとロブのグルメトリップ』The Trip (2011))、次にイタリアを回った(『イタリアは呼んでいる』The Trip to Italy (2014))、あのシリーズの3作目で、今回はスペイン。

という意味では全く新味なく、延々続くモノマネ芸の応酬も、もうええて・・って気にさせられるのだが、挟み込まれたフィクションでおっさんらの人生模様の断面と表情を見せ、スペイン現地の風土や表情を見せ・・とやっぱり上手い。

初めの方でスティーブ・クーガンSteve Coogan が口ずさみ、あとテーマ曲になる「風のささやき The Windmills Of Your Mind」。えーと、何の映画の主題歌だっけ?とついに思い出せなかったのが悔しくて・・メロディラインがフランスぽくてフランス映画ばっかり思い浮かべてたけど、え?歌詞は英語?そして歌っていたのがノエル・ハリスンNoel Harrison で、なんとレックス・ハリスンRex Harrison の息子?・・なるほど、メロディはミシェル・ルグラン Michel Legrand でフランスっぽい筈なのだけど(調べてみると元は確かにフランスの歌)、そうや、映画は、『華麗なる賭け』The Thomas Crown Affair (1968)。スティーブ・マックイーンSteve McQueen とフェイ・ダナウェイFaye Dunaway の・・(これは母に連れられて見に行った記憶あり。例の唾液のつながりがはっきり見えるキスシーンで母(←潔癖症気味)が「うわ、きたな」といかにも嫌そうに言い、お子ちゃまのわたしはもやもや分からないながら別の感情を抱いた記憶がある・・)。ああ、だから、クーガンの夢のなかにスティーブ・マックイーンの名前が出てくるのか・・今や映画祭などで呼びあげられるスティーブ・マックイーンは、『ブリット』Bullitt (1968) などの孤高の(イメージの)俳優、レーサーでもあったあの人ではなく、『それでも夜は明ける12 Years a Slave (2013) などの監督であろうけど・・。

スペインといえば・・のドン・キホーテであれ、何か何かとちょっとした知的刺激がこちらをチクチクくすぐる映画。ま、こういうのもいいでしょ。

それにしても・・去っていった恋人がいきなり戻ってきて「やっぱり君のことが一番好きだった」なんて言う・・なーんちゅー夢を一度も見なかったひとがいるだろうか? そのサプライズ、目覚めたときのなんともいえない辛さとともに・・。