稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

世界の光

ものすごく久しぶりに電車に乗った。仕事先での仕事は今週あたまから始まっていたのだが、歩ける距離は歩いていく。今日の仕事先は往復とも歩きはちとしんどいかなと思ったので、行きしを電車、帰りしは歩きということにしたのだ。

電車の中の人びとは見事に全員マスク。近所の商店街とか公園散歩とかだとわたし自身も含めてマスクなしはよく目にするのだが、さすがに通勤客とかは絶対マスクなのね。わたしも仕事先に向かうとき、また仕事先ではマスクです。息苦しくて鬱陶しくてしょーがないけど。

そして帰りしなに、今日から開いた映画館に早速立ち寄る。すっごい厳戒態勢で、観客もあまり入ってなかったけど、暗闇のなかに身を沈め、真ん前のスクリーンの光を浴びて映画と一対一で向き合うと、ほんとうに心の底からほっとする。映画館で映画を観るということが、これほどまでに自分の一部になっていたことに、あらためて驚愕する。

映画自体はもともと見るつもりなかったモロッコのホラー映画で、まぁ、めずらしいかな・・程度の感想しか抱かなかったけど、冒頭アヴァンタイトルのいくつかのショットに映し出されるこどもたちの美しい顔たち、風景たち・・その光に触れるだけで、もう、涙ぐみそうになりました。

いつぶりなんだ?と、PiTaPaの利用明細確かめてみると、4月15日が最後になっておる。そう、電車も映画館もその日が最後。今だから告白するが、緊急事態宣言後も、まだ開いてる出町座めざして、禁断の大阪〜京都越境やってたんです。だって『リーマン・トリロジー』どうしても見たかったんですもーん!イザベル・ユペールの『マダム・ハイド』もどうしても見たかったんですもーん。それに『東京干潟』『蟹の惑星』も大阪ではやってなかったし・・。いや、マスクして行きましたけどね。お許しを・・。

映画は世界の光・・。いまたまたま目の前のモニターで見ているのは、Filmmuseums München ミュンヘン映画博物館がvimeoでやってるKlaus Wyborny クラウス・ウィボニーのレトロスペクティヴから"Das Licht der Welt" (2015) つまり『世界の光』という作品です。このvimeoでの上映、4〜5日すると消えてしまうので追っかけるの大変なのだが、無知にしてこの映画作家を知らなかったわたしには、すっごく刺激的な特集でした。

Retrospektive Klaus Wyborny

"Das Licht der Welt" この2015年の作品は、彼のこれまでの作品の上映会そのものを、スクリーンに映し出された映像・音楽ごと、そしてそこに目を凝らす観客ごと、そのものを作品にしたもの。もちろん(しばらくいろんな作品見続けてるとわかる、この作家のトレードマークのような)めちゃ厳格に計算・構築された音・映像そのものと、その場に溢れ出た光そのもの・音そのものが、観客の影や光と一体となって、また新たな光と音の作品になっている仕掛け。この作家にとって映画とは何か物語を語るものでなく(別の作品では撮りためたおなじ映像つかって平然といくつかの物語を語り直したりする)、現実の表象でも代用品でもなく、そこにある作品そのものの光と音がすべてなわけだ・・。

そこにある光と音に身を委ねる・・こうしてvimeoとかYouTubeとかで、自宅のテレビで見るのも慣れてしまったけど・・やっぱり映画館がいいよね。

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そうそう。あとひとつ、忘れてはいけないのだが

わたしのご贔屓バンドである融解建築さんが、有料配信ライブやります。場所は京都のRAG。ほかにもいろいろ配信ライブを頑張ってやってはるみたいですね。

ライブ配信は5/30の19:00からだけどオンタイムで見なくても、1週間ぐらいは見ることができるとか。チケット購入はこちらから↓

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