稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

ハニーランド

半月月見酒。空気が湿気てるせいか?月の色が心なしか黄色い。これからまた十八夜の居待月頃までベランダでの月見酒好適夜が続く。梅雨だから見られない夜もあろうけど・・精々愉しもう。しかし、いつまで続く?ひとり月見酒よ。

(日付が変わってしまったのでいちんちずつずれるけど)一昨日、昨日と、ひさびさ川端散歩に出かけた。一昨日は大川端を、昨日は淀川沿いを歩く。StayHome期間中には毎日のように出かけた長足散歩だが、自粛解除になり、仕事先での仕事もそれなりに戻ってきて、都心に出かけついでに映画見て帰ってくるという日常が戻るにつれ、サボりがちになった。しばらく遠ざかっているうちに夏の草花のいくつかを見逃してしまったようで、梔子(くちなし)など一重も八重も大好きなのに、もう盛りを過ぎてしまっている・・。まだ香りは高いけれどね。一昨日は大きな蓮の蕾がいくつも並んでる池を見かけたので、この花咲く頃は見逃さないようにしよう。

それにしても、朝夕の比較的涼しい時間帯を選んでさえ、この蒸し暑い時季の散歩は辛い。6月からジム(スポーツクラブ)は再開していたのだが、受付のバイトをしている友人によると、更衣室がやばい(更衣しながらみんな至近距離でおしゃべりする)というので、6月いっぱいはまだ休会にしていた。7月からはいよいよ復帰かな? 言うても、日本の第二波は50人とか60人とかそこらのレベル(東京アラート出さんかい!)、フランスとかドイツとかの1000人単位、アメリカの万単位とは桁がちがうもんなぁ・・。抗体の保有率も思ったより低い。いや、だからこそ、警戒しなきゃならないんだという声も聞くけれど・・。経済がまわりはじめ、みんな自粛疲れしているこのときに、世界的にはまだまだ感染者が増えているんだから。

映画は『ハニーランド』がものすごかった。これ、ほんまにドキュメンタリー? 展開がドラマチック過ぎるんですけど・・。それに映像の美しさがただごとではない・・マケドニアのごつごつした風土と、蜂の刺す痛みと蜜の甘さと、天然の蜂蜜の価値と持続可能性とが、ドラマと映像の両方に大きく関わってくる。そこに置き去りにされる主人公の孤独が身につまされる、以上にじんじん沁みてくる・・。

マケドニアの山の中で、ただ淡々と営々と自然を相手に生きていくだけなら、独身女のまま年老いても、ひとりの気力・体力が続く限り生きていけるのかもしれない。髪を染めて少しおしゃれもして。愛されることなどなくても。しかし母がいる。毎日顔つきあわせてると些細なことで苛立ち諍いになる。(だけどお互いなしでは生きられない)。そして隣家がやってくる。家畜の扱い、家族の扱いに殺伐としたものがあり、不穏な予感しかしないのだが。そして大人数のきょうだいの中に必ず一人はいるものか、聡明で優しい子どもが一人だけいるのだが。こんななかに欲得ずくがしのびより、引っ掻くだけ引っ掻き回した末に・・。けっきょく誰からも愛されない(猫さえあまり懐いていないようにみえる)無骨でぶきっちょな彼女が一人取り残され、しかし哀れには見えない、ひ弱ではないだけに、余計に孤独が沁みるのだ。このまんま生きるだけ生きていくしかない?

え、これって誰のこと?

『ハニーランド 永遠の谷』リューボ・ステファノフ、タマラ・コテフスカ 

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