稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

音楽ライブ

もう今日は大晦日だけど、以下書きかけていたやつ。まず投稿してしまいます。

12月26日27日の週末は今年のライブ納め。思えばこの春、クラスターが出たというので「ライブハウス」が何かと目の敵にされた時期を経て、ようやくあれこれあちこち動き始めた。観客めいっぱいには入れず、そのぶん配信というかたちで多くの人に見てもらったり、工夫を凝らしながら、来年はもっともっとたくさん素敵なライブが見られますように。いつからか、映画だけでなく美術も音楽もダンスやお芝居やあらゆるパフォーマンス藝術もライブで見ずには生きていられない身体になってしまいましたもので・・(今年はさらに「演らずには・・」も加わる。これまた別のエントリーで書きます。)

で、26日。よくお邪魔している(展はほぼ見ていると思う)ヨルチャさんにて《師走に笛師集う》というライブ。ケーナの岩川光さんとフルートの坂本楽さんとのがっつりデュオなのだけど、観客席にもプロの笛師の方々が集っていたという・・。

坂本さんはいつものモダンフルート(普通のフルート)に加え、ピッチ(音程)が今よりほぼ半音低いバロック時代の古楽器フラウト・トラヴェルソ」(イタリア語で直訳すると「横笛」。今イタリア語でflautoというと普通にフルートのことなので、昔は縦笛(今のリコーダー)が普通のflautoで、今フルートと呼んでるやつにはわざわざ「横」traversoをつけて呼んでたことになる)を持ち(当時の古楽器オリジナルでなく精巧に作った写し。もちろん木製)、岩川さんは自分で作ったケーナ二本、一本はバロックの音程と音階(平均律ではない!)に合わせたもの、一本は現在の音程のものを使い、二人でバロック音楽から現代音楽、オリジナル曲に至るまで吹きまくると・・。

いやはや・・岩川さんはケーナ(南米ペルーやボリビアあたり発祥の縦笛)を駆使してソロだけでなくあらゆる楽器とのデュオを試み、あらゆる音を奏でる試みをしているのだが、そのふくよかで豊かな響きの楽器からこのたびはバロック音楽(しかもあまり耳にする機会のない楽曲)が正確に優雅に奏でられ、対する坂本さんのフルートもものすごい技巧と激しいテンションとをもって奏でられ、現代音楽やオリジナル楽曲も先鋭的かつ繊細で、もうもう「凄い」としか言いようのない演奏でした。こんなの、この場限りでしか聴くことのできない・・なんだか新しい音の世界の始まりに立ち会ったようでした。(我ながら音楽を語る語彙が貧困だけど・・)

翌27日は、天満橋のライブハウスRAW TRACKSにて変拍子プログレロックバンドの眞九郎とフルート+ピアノデュオの融解(木造)建築。聴き慣れた曲を昨夜のバロックピッチのフラウト・トラヴェルソで演奏という余録も加わり、融解(木造)建築に松浦眞九郎さんのギターの飛び入り、アンコール曲は眞九郎に坂本楽さんのフルートの飛び入り、いずれもめちゃカッコいい即興を聴かせてくれました。まだ配信があるそうなのでぜひお聞きになってください!
木造でない融解建築さんはこの12月5日に東京でソロライブがあり、久々だったこともあってか、これもすごいテンションで力のこもった素晴らしい演奏(新曲含む)を聴かせてくれました。が、メンバーのご事情でしばらく全員が揃うことは難しいそうで、次のライブが待ち遠しいです。

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