稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

大阪アジアン映画祭と京都エクスペリメント

ツイッターの方で「ブログに書く」と宣言しておいて、昨夜は帰宅したらすぐ残りものでパスタ作ってまず赤ワイン、それから作り置きの粕汁をあてに日本酒、といつもの飲みパターン(見さしになってたアマプラの映画や録画してた番組など見ながら)にはまってしまい、書く気力を喪いました。て、いつもこうやな。このパターンなんとかしないと、ブログに限らず「書く時間」というのを確保できなくなる。…いかん!

で、昨夜書きたかったこと改めて書きます。

まず大阪アジアン映画祭。いつも熱心な(特徴ある)観客が集まる映画祭でわたしの映画友達の中にもほぼ全部を見る熱心なファンも、東京から駆けつけるファンもいるけど、わたしはそこまで熱心ではないがスケジュールの許す限り、またチケットの取れる限り、見に行くつもりにしています。去年はコロナ禍(緊急事態宣言前)で開催が危ぶまれたけど、なんてことなく開催、今年はやはりコロナ禍続いてそもそも作品が集まるか危ぶまれたけど、ちゃんと開催。最強やな。ゲストの招聘などはできないけどそれは仕方ないか。

昨日が初日で、わたしにとっての一本目が『ナディア、バタフライ』Nadia, Butterfly (2020) Pascal Plante フランス系カナダの映画で、これがなんでアジアン映画祭に?と思うと、舞台がほぼ2020年に開催されたという体の東京オリンピックの東京なのね。実際に東京ロケしてるんだけど、2019年夏に撮影とあり、映ってる人みんなマスクなんてしてない。このあと新型コロナウィルスの猖獗があり、ほんまに幻となってしまった2020年東京オリンピックを背景に、女性アスリートの身体と心理をリアルに追っかけると。水泳競技者らしい立派な筋肉質の肉体をしていながら傷つきやすい心を持ち、周囲と関わり東京を彷徨い歩くヒロインが魅力的でした。

で、そのあと京都に移動し、京都エクスペリメントのイベントで『Apollon』Florentina Holzinger の上映。(と、あとちょっとだけFlorentinaのZOOMインタビュー)。京都エクスペリメントは折角前年の秋を今年の春まで延長したのに、やっぱりコロナ禍続いて海外の演者を招べない状況になっちゃったな。上映というかたちが多く残念です。

しかしこの演目、実際目の前で演じられてたらちょっとキツかったかも・・。わたしはいつも(可能なら)最前列で見ることにしているので、いろんなものが降りかかってきたり、演じられるあれこれがもろにこちらの身体に襲いかかってきたりで、耐えるのが大変だっただろう。ギリシャ神話を題材にとったバランシンのバレエというハイアートと俗悪な大道藝をくっつけたり、殊に痛いやつ汚いやつ見ててたまらなくなるやつを敢えて見せつけたり、太陽神アポロという男神の中の男神を、立派な乳房と堂々たる筋肉質の肉体を併せ持つ女神が演じ、それに従う美神ミューズらもやっぱり筋骨隆々で凄い身体能力を誇示し、fatherをmotherと言い換え、bullをcowと言い換えたりのフェミニスト藝だったり、思想そのものを言ってしまえばマルキ・ド・サドやアントナン・アルトーの昔から変わっていないのだろうけど、これをいろんなモチーフを駆使しながら実現し現前するところが、まあ、凄いというか・・。「あ、それやっちゃうわけ?」と観客みなを顰蹙させながら、やっぱり「やってしまう」、「そこまでやる?」と思わせることを「そこまでやり切ってしまう」という過激さが素晴らしかったです。それでも(それこそが、か?)また美しかったし・・。

京都エクスペリメント、最初に見た(これも実演でなく記録映像で残念だったけど)Dana Michel の『Mercurial George』『 Lay them all down』は、昨日のとは対照的に、すごく繊細で親密な雰囲気を漂わせたパフォーマンスだったし(と、言葉にするとやはり足りない)、それぞれの実践に味わいがあり、どれも見ていて飽きないです。

あとちゃんと実演のある演目もあるので、せいぜい通いたいです。