稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

町田くんの世界

今日は(日付は昨日)予定してた仕事が一つキャンセルになり(そのこと自体はうれしいことではないが)そこにすっぽりはまったので『町田くんの世界』を見にいくことができました。

wwws.warnerbros.co.jpいっやー爽快な作品でした!このフィナーレは、いつかの(本ブログに書いた)イタリア映画のアントニオ・グラムシ(ネタバレになるかなと思ったのでそこではあえて書かなかった)に相当する。荒唐無稽度においては勿論あちらの方がまさっているかもですが。
まんなかにまるで空虚のような町田くんの世界を措定し、そこにナイーヴな二人の主人公を配置。演技にナイーヴな素人を起用して、いわば棒演技を演出し、「恋」という「異物」にナイーヴなふたりの若者が、その異物に翻弄され混乱させられ身体的に反応し文字通り(映像通り)右往左往するさまを描き、それを立体化するために、実年齢無視して手練れの俳優連を配した、この監督の狙いがみごとに当たっています。(岩田剛典だけがちと納得いかなかったがこれはこの人物像そのものの納得いかなさにも由来するものかな?)。特に狂言回しを務めた前田敦子がよかったね!わたしの好みもあるが高畑充希も。
一見バラバラにみえる個々のエピソードが、フィナーレの飛んでもない奇跡に向かってカシカシカシとハマってくるさまが、めちゃ快かったです。
やっぱり当たり前の少女マンガ原作映画(昨今流行りの)とはもうレベルが一段も二段も違ってる。石井裕也監督流石だと思わせました。