稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

祭の終わり?

今年の京都エクスペリメントもおしまい。今年のベスト3は、以前のエントリーで書いたウィリアム・ケントリッジ William Kentridge『冬の旅』、ブシュラ・ウィーズゲン Bouchra Ouizguen『Corbeaux(鴉)』と、もひとつこれは書いてなかった、アミール・レザ・コヘスタニ/メヘル・シアター・グループ Amir Reza Koohestani / Mehr Theatre Group『Hearing』かな。

kyoto-ex.jp演劇というのは言葉に頼る部分が大きく、ペルシャ語はまるっきりわからないのでセリフを聴き字幕を読んでというのが続く冒頭しばらくは、「しまった、ハズレだったかも」と後悔しかけたけど、途中から俄然おもしろくなり始め、本当と嘘、現実と虚構、現在と過去、いまここにある場所・時間と過去のいつだかわからない時間・場所の区別が、同じセリフの繰り返しや映像と舞台(と客席)をトリッキーに切り返すことでどんどんわけ分からなくなり、謎は深まるばかりのところで、観客を置き去りにするかのように突然終わる。めちゃ刺激的な一作でした。いまのイランで女性の置かれている理不尽な状況について素直に感動した向きもあったようだけど、それすらトリッキーで一筋縄ではいかないと感じさせる・・。
で、
今年で10年になるという京都エクスペリメント。初年度を除きそれなりに付き合ってきたが、その初年度からずっとディレクターを務めこのイベントを育ててきた橋本裕介さんが今年で勇退とのこと。来年からはどうなることやら...期待します。これまでなかなか公式プログラム以外に目を向ける余裕がなかったのだけど、来年からはもっとフリンジ公演にも注目することにしようかな。