稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

東京にて

小池知事の会見の翌朝、東京に降り立った馬鹿。
知事の会見があってもなくてもこうなのか、東京の人たちのマスク装着率は明らかに関西より高い。
オリンピック延期が決まった途端に「重大局面」「自粛要請」かよ。と嗤いたくもなるが、隠れていた数字がこれから明らかになるにつれ、事態は予断を許さぬのか? 東京がそんなに少ないはずがない・・と疑い続けてたもんね。
大阪では先日の連休など、知事同士のアホなやりとりはともかく、街中に遊びに出てきている人々わりと多く、マスク率も低めでした。緊張が緩んでるな、と明らかに感じた。本当に深刻な事態はこれからやって来るのか?日本もイタリアやスペインのような医療崩壊が待っているのか?怖い・・。正しく怖がって、できる限りの用心はしないと・・。
で、なんで東京かと言えば、連休明けの月曜に紀三井寺に行ったのだけど、桜の蕾は何本かの木を除いてまだ固く、ちと悔しい思いをした。(50年に一度公開されるという秘仏は素晴らしかったけど!)。青春18きっぷを使うミニ旅行(ホントは熊野古道も含めて紀伊半島ぐるっと回ろかなとも計画してたのだけど、宿泊はやめにしてちょこちょこ日帰りすることにしたのでした)、紀三井寺の次は粉河寺の予定だったのだけど、今日の時点ではまだ桜は早いみたいで、ではどうしよう? 木曜まるまる空いてるし・・で、ちょうど目に入ったのが、渋谷での『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』3D上映が今週までとの情報。これはぜひやっぱり3Dで見ておかねば・・と2000円の深夜バスに飛び乗ったのでありました・・。
(ちなみにこれ書いてる今は帰りの新幹線の中。深夜バスはやっぱり老体にこたえるので・・)
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『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』
地球最后的夜晩 Long Day's Journey Into Night (2018) 导演:畢贛 ビー・ガン

地球最後的夜晚 - 维基百科,自由的百科全书

王家衛とか侯孝賢とかタルコフスキーとか『ブレードランナー』とか『黒いオルフェ』とか映画好きなら誰でも知ってる既視感を駆使しつつやっぱり才気があざといほどに感じられる映像美と、3D以降は地獄めぐり(もしくは煉獄めぐり)さながらに、どんどん深い層へ降りていって、2D部分の現実(もしくは記憶)=想起もしくは想像の部分と符合する夢のイマージュが映像化されていくのが快い。ヒロインの汤唯タン・ウェイももちろん佳いのだけど、張艾嘉 Sylvia Changの登場シーンが、2D部分(現実?)でも3D部分でも良くってね。この人ってわりと小柄なのね。で、若い頃からああいう必死の表情してたよね、って。この頃は監督としての活動のほうが目立つかな?『あなたを、想う。』念念 Murmur of the Hearts(2015)などすごく良かったけど、これ見ると女優としての彼女ももっと見たいなぁ・・って。
李鴻其演じる白猫が泣きながら林檎を芯まで食ってしまうところも良かったが(もちろん3Dの中での馬と林檎も)、中島みゆきの「アザミ嬢のララバイ」が流れる映画を見ながら(ちなみにそういう映画はあるのかな?)汤唯が字幕では「ザボン」と訳されてある大きなみかん食うところも好きで、わたしの馴染みの果物で言えば「八朔」かな。いまちょうど八朔の時季。果物の端境期であまり種類ないところ、サラダなんかにグレープフルーツがわりに使うと優しい味で美味しいです。
畢贛の長編第1作『凱里ブルース』もすぐ公開になるんだそうで、そちらの方は(予告編を見る限り)詩人としての畢贛の才能がより強く出ているようで、期待します。