稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

女の「からだ映画」もいっちょ・と・詩と映画の生まれる瞬間

『バーナデット ママは行方不明』Where'd You Go, Bernadette (2019) Dir : Richard Linklater  Star : Cate Blanchett

リンクレーターじゃなきゃ見に行ってなかったと思うけどそれにしてもケイトはうまい!『TAR ター』もものすごかったけど、こういう(予告篇見た限りでは普通の主婦のお悩み映画かな?と思いきや)作品にも狂気あふれるものすごさを醸し出すわね・・。これまた「からだ映画」の系譜というべきか、ヒロインの作る家、住む家があからさまに彼女の心身を表象していますね。楽しく見ました。

あ、それと。映画内で使われる「ぞうさん」の曲は日本のtraditional ではなく作詞:まどみちお 作曲:團 伊玖磨とクレジットが必要じゃないの? 誰か指摘しておいて。

と、これだけじゃなんなんで・・

『TAR ター』Dir : Todd Field Star : Cate Blanchett

についても書こうかと思ったけど見たとき感じた「ものすごい」という感覚がもう忘れられててどうも書く気しない。感興のあったときに書き留めとかんといかんな・・。

というわけでこれはまだまだ感興の残っている・・

『眩暈 VERTIGO』監督: 井上春生 出演: 吉増剛造

ジョナス・メカスの作品は大好きでわりと見てきているし(全部は無理)したがって幼い頃のセバスチャンの姿も覚えている(大きくなって禿頭になっても面差しは変わらない)。その中に登場する若き吉増の姿ももちろん覚えているし・・メカス自身詩人だしね。散文もいいし・・。

一方で『背 吉増剛造×空間現代』監督: 七里圭  などに記録された最近の吉増の活躍ぶりにも目が離せないでいる。その七里圭がプロデュースし京都の春秋座でやった映像と音楽と詩のイベントに登場した吉増の姿もまのあたりにして圧倒されたし・・。

そういう貴重な奇跡の邂逅、わたしのなかでも奇跡の邂逅が、まさに映画のなかに記されているのがこの『眩暈 VERTIGO』だったと思います。「めまい」と読まずに「げんうん」と読みたい。ここには映画の生まれる瞬間が確かに記録されているし、詩の生まれる(降りてくる)瞬間がたしかに刻まれている。

これは映画を作る人(見る人も)全員が見るべきだし、詩を書く人(読む人も)全員見るべき映画ではないか・・。

もっともこの吉増剛造の姿を見てると、わたしのやってることなんてホントにささやかでダメダメだめだめで・・とか思っちゃうと、詩(と自称するもの)なんて書けなくなっちゃうなぁ・・とかも思ったりして。いや、それは、また、べつのことかな。

ジョナス・メカスに励まされてどんなささやかな日常でもそのなかに見える/聴こえる繊細な詩のひびきに耳を傾けささやかに表現していきたいとも思うし・・。