稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

ロゴスとイマーゴとソキウスの結節点

moviola.jpどこかで誰かが解説してたら屋上屋を架す話ですみませんが、Ex Libris とは(どこかしらの)「書庫」Librisから「出たもの」Ex という意味で、昔よく書籍の奥付のところに貼ったりハンコ押したりしていた「蔵書票」(この本は誰某の所蔵なり)というやつ。図書館では「この図書館の所蔵なり」を示すために本に貼っておく書票の意味になるようです。この映画のタイトルは、その元々の意味と、もひとつ Libris「図書館から」Ex「外へ出て」という意味も含まれているような気がします。映画の中でも誰かが熱弁振るってたように、Biblioteca は多くの西洋言語で「図書館」を意味しますが、語源的にも単に本「Biblio」を「置いとくとこ」teca という意味の単なるBibliotecaではなく、積極的にEx Librisを目指して、リチャード・ドーキンス Richard Dawkins の記述する進化し行動する生物のように活動するニューヨーク公立図書館のありようを生き生きと捉えてますね。
図書館とは、いわば、ロゴスLogos(ことば)と、イマーゴ Imago(イマージュ)(すんませんどうやっても日本語にならず)と、Sociusソキウス(仲間ー社会)の集約されるところであり、結節点であり、それは、図書館にかかわるすべての人一人ひとりの顔であり表情であり姿であり、言葉や活動であり、また、ニューヨークのいまの姿、本館・分館のある街々の表情、有名なライオン(世界で何番目に有名なライオンさんでしょうか?)であり・・。
父の話をし「必要なtrouble」の話をするエルヴィス・コステロ Elvis Costelloも、愛おしそうにジャン・ジュネ Jean Genet を語るパティ・スミス Patti Smithも、マグローヒル McGraw‐Hill,Inc.,社の教科書の酷さを語るカリル・ジブラーン・ムハンマドKhalil Gibran Muhammad も、「何かをしている犬」も、あらゆるロゴスやイマーゴそのものがわたしにとって貴重なものだらけだったのですが、個人的にはユセフ・コマニャカア Yusef Komunyakaa のことばが心に残りました。わたしの貧弱な聞き取り能力からして自信がないのですが、詩人の宿命について語るなかで cursed ということばを使ってたと思う。そうよね!詩人を名告る者の端くれとして世界にどう関わっていくのか、そのありようを喚起されたようで、とても勇気づけられました。