稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

ことば・・とか

ちなみにイタリア語でマスクは「マスケリーナ」。(あえてカタカナで書くけど)。英語の「マスク」(フランス語でも「マスク」ドイツ語で「マスケ」)にあたるイタリア語(とスペイン語の)「マスケラ」はヴェネツィアのカーニバルなどでかぶるあの大仰な仮面(顔の全面を覆う)を指すので、顔面の半分しか覆わないマスクは、指小辞の「イーナ」をつけて「マスケリーナ」になる。アンジェラがアンジェリーナになるたぐいね。可愛いやんけ!

ある日のレッスンで「うんざりする」みたいな表現を教えてもらい、先生「例文作って」。わたし「わたしはマスケリーナにうんざりだ」。先生「わたしはマスケリーナをつけるのにうんざりだ」と言い直してから「でも『マスケリーナにうんざりだ』でも構わないよ」と言う。ほんまに、うんざりですわ〜!

しかし感染再拡大なのか第二波なのか、東京の、そして大阪も、数値が相当ヤバいことになってると思うのだが、以前にその数値を叩き出してたときの緊迫感が、行政にも民にもないのはどうなん!? あかんのちゃん!?

・・と思いつつ、映画館も飲み会もジムもライブもすっかり(自分に)解禁、もっと行きたい!という勢いのわたしであった。誰か(科学者)の説で、新型コロナウィルスに曝されてから重症化するまでを何段階かで整理してあって、うろ覚えではあるが、仮説の数値を出していらっしゃった。その仮説によれば、日本人の30〜45%は既にウィルスに曝されているが、98%は自然免疫で事なきを得ている。(ただし自然免疫なんで獲得免疫はできてなく、したがって抗体はできてない)。あとの2%は獲得免疫ができるまでになるが、その中でも重症化するのはごくわずか。その各段階で、日本人(アジア人)は、酷い目に遭ったヨーロッパ人に比べて、次の段階に移る割合が低いのだという。感染再拡大というが、そのなかで重症化している人、死者はどれぐらいの割合でいるのか?・・とか考えると、わたしはきっと感染したことあるけど自然免疫だか獲得免疫だかで気づかずにここまで来たクチで、だとすれば、これからも、ウィルスの性質を知って最低限のことに気を遣えば、自分がCOVID-19で死んだり、他人に移したりのリスクはごくごく低いかな?とも思われる。

まー、だとしても、外出先でずっとマスケリーナにはうんざりだけど。

ヨーロッパ語は語源が共通してたりするので似たとこ共通したとこあって、なおかつ微妙に違ってるので面白いですね。ドイツ語の「Angst」がそのままタイトルになった『アングスト』は、英語、フランス語タイトルはそれぞれ違ってたと思う。ところが、同じ語源のスペイン語「angustia」が、たまたまその翌日に見に行った『ラ・ヨローナ 彷徨う女』のエンドクレジットに流れる歌の中で印象的に使われていた。

『アングスト』の怪作ぶりにはもう、脱帽としか言いようがない、主人公のまさしくAngstが、意識の流れではないけど、その狂った理屈のそのまんまの流れで、キャメラワークやカットつなぎ(コンティニュイティ)になり、観ているこっちにまで伝染してくる。

『ラ・ヨローナ 彷徨う女』も、今回はグアテマラに舞台を移し、やはり虐げられる(虐げられた)女の怨みが、虐げる階級の女に侵入し、いろんなひとを狂わせていくありようが、すごく面白かった。

無垢だから?こどもや犬が無事なのが救い?いや、しかしほんまにこれ無事と言えるのか・・?

ところで韓国語は、ハングルがようよう読めるようになった程度の段階で学習ストップしてるので、『マルモイ ことばあつめ』の元・文盲(「盲」が差別語にあたるからか?「非識字者」となってたけど)の主人公の、字の読めるようになった喜びと共に、街中の看板などのハングルを声に出してみては、読めた!と喜ぶレベルなのだが、その主人公は読み方わかればすぐ意味もわかるけど、わたしは読みかたわかったところで意味わかんないもんね。しかも、たとえばひらがなの読み方覚えたての幼児が一つ一つの字母を拾い読みする程度の速度でしか読めないので、エンドクレジットとかとてもついていけん・・。これはよっぽど集中して勉強しないと無理かなぁ・・。とはいえ、日本語の「かばん」にあたる言葉は、韓国語でも「カバン」と発音するのだと知り、え、これって語源はなんだろ?とか思う程度には聞き取れるのでした。むしろ話し聞きの方から入る方が韓国語は身に付くとも聞く。若い人はすぐ上達するってよ。

マルモイ ことばあつめ、いろいろ不満はあっても、やっぱり見とかんといかんかなと思う。そういえば、韓国語あんまり知らなかった頃にも、韓国語のニュースにやたらめったら「ウリナラ」という言葉が聞こえてくるなとは気づいてた。ことばは国民の精神も映すのである。

『アングスト 不安』(1983) 監督:ジェラルド・カーグル

Angst (1983) – Wikipedia

『ラ・ヨローナ 彷徨う女』(2019)  監督:ハイロ・ブスタマンテ 

en.wikipedia.org

『マルモイ ことばあつめ』(2019) 監督:オム・ユナ  出演:ユ・ヘジン、ユン・ゲサン

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