稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

ご当地ご当地ご当地

『葬式の名人』

soushikinomeijin.com先にエントリーした『タロウのバカ』と同日に観た。なんと対照的にゆるゆるにゆるいのがこちら。
俳優陣にはみんな上手い(上手すぎる)若き(しかも全国区の)手練れたちを集めつつ、関西弁のイントネーションみんななってないし。
これはもっとゲラゲラ笑っていいコメディだとおもうのだけど、うまく笑えないし。(笑っていいのやらどうやら観客も迷う。)いや、そこもまたいいところかもしれないし・・。
これは監督(樋口尚文)の作品というよりは、プロデューサーと脚本を務めた大野裕之の作品ではないか。そういえば京都映画祭関連で撮られた『太秦ライムライト』もまた、ご当地映画にしてこんなふうにゆるゆるな作品でした。
今回のご当地、茨木は、わたしがいっとき住んだこともあり、仕事関連で長年よく足を運んだ地でもあり、ロケされた場所は全て知っている。茨木高校(通称「いばこー」)は地元の名門校で、もちろん川端康成の出身校であるだけでなく、プロデューサー氏と同じく京大に進学する人も多い。
(そういえば『夜は短し歩けよ乙女』であったり『鴨川ホルモー』であったり、同窓生が嗅ぎつけて「おお懐かしい〜」とかなってしまう京都大学系のゆるーい学園ものの匂いもするかも?その点でもご当地?)
茨高はもちろん場所知ってるけど中には入ったことなかったんで、それが同窓生にしかわからないゆるーい名所とともに、しっかりもう一人の主役になってたところも嬉しかったね。
って、ホントにご当地ご当地ご当地映画で、『嵐電』のように京都のご当地映画でありながら全国区の普遍性を勝ち得た作品には残念ながら及ばないけれど、こういう作品もあったええかなとおもう。嫌いじゃないです。
そいえば、『太秦ライムライト』のご縁であろう、中島貞夫御大や福本清三、それに上七軒の綺麗どころも(けっこう重要なイメージとして)チラ出演してたのもまたうれしかったですね。
それにしても高良健吾は『アンダー・ユア・ベッド』のド・ヘンタイに引き続いてこちらもまた、ちょい・ヘンタイ(あえて「ヘンタイ」と言いますが「変態」小説の手練れである川端康成先生原作だからよしとしてください)の懸命さがとても愛らしく、上手いな〜と思わせました。