稍ゝおも

ややおもしろく、ややおもたく、jajaのJa,Ja,おもうこと

獨立時代 または A Confucian Confusion

今日もうまく夕立を避けることができた。

仕事を終えて映画館に向かう道道は暗い灰色の雲が垂れこめて今にも泣き出しそうな天気。涙がひと粒ふた粒落ちてくるて感じの剣呑な空だったがなんとか映画館までもち、映画見終えて出てくると雨降りあとと思しく地面がかなり濡れていて歩くと水が跳ねるぐらいだった。空気は残念ながらからっとした感じではなく空も雲が多かったけど半月少し過ぎたぐらいのお月さんが綺麗に見えましたね。

half moon

映画は『エドワード・ヤンの恋愛時代』。中国語題の『獨立時代』英語題の”A Confucian Confusion”のほうが好き。わたしが楊德昌Edward Yangを初めて知った作品でもありました。

1994年の作品とある。その年だったか翌年だったか東京国際映画祭を京都でやった年があって、わたしはめずらしく監督の舞台挨拶に駆けつけ一目惚れしてしまったのでした。その年はアキ・カウリスマキも来ていて北欧人らしい大男の彼の横で北欧人らしからぬ普通の身長のマッティ・ペロンパーが恥ずかしそうにしてたのも印象深い。

その後長らく「生まれ変わったらエドワード・ヤンの足元にうるさくまとわりつく仔犬になるか、ジャン=リュック・ゴダールの鼻先を五月蠅く(うるさく)飛び回る蠅になりたい」というのがわたしのせつなる願いだったのですが・・二人とも鬼籍に入られてしまって(マッティも早々に)。でも転生の法則はきっと一直線に進む時間の軌跡上にはなくどこかでゴダールにも楊德昌にも出逢ってないかと祈っているのですがね。
それはともかく

もう30年ぶりになるのか再見した『獨立時代』、覚えてたシーン(特に夜のシーンとか夜明けのシーンとかエレベーターとか)の美しさにあらためて目を瞠りましたが、ここでこの人物がこう入ってきてこう動きこう交錯してこうぶつかって…という演出がいちいち巧みで、すごいと思わされました。名シーンいろいろ。それにしてもここまで登場人物みんながみんな人格として破綻している(笑)とは記憶してなかった。ひどいもんやもんな。みんなクズ人間またはダメ人間ばっかりです(笑) 。唯一みんなから愛されてる(いい子やと思われてる)琪琪(チチ)も含めてね。そこがまたもういちいちグッとくるんですが・・。